バスを廃車にする時期や方法をわかりやすく解説
ずっと走っていたバスが故障してしまった場合は、当然廃車を選択するケースが多いでしょう。ですが、いざ故障してからでは、対処が遅くなってしまいます。
今回はスムーズに廃車にするために知っておきたい、廃車の目安や方法を解説します。
バスを廃車にする時期の目安
バスを廃車にする時期は、走行距離と使用年数から判断すると良いです。走行距離が100万~200万㎞、もしくは使用年数が10~20年程度となったら廃車も視野に入れるべきでしょう。
以下で、走行距離で廃車時期を判断する場合と、使用年数で判断する場合について詳しく見ていきます。
走行距離が100万~200万㎞で廃車
バスの廃車は、走行距離が100万~200万㎞程度となったタイミングで行うと良いです。通常、乗用車の場合は走行距離10万㎞程度で廃車を考える事になるので、バスがいかに丈夫で長持ちであるかが伺えます。
100万~200万㎞という廃車の目安は、少し範囲が広いと感じる人もいるでしょう。このように範囲を広く設定している理由は、バスの使用方法やメンテナンスにより寿命が増減するためです。
バスは路面電車や観光バス、高速バスなど様々な用途で使われるため、エンジンにかかる負担は各々のバスで異なります。また、メンテナンスの頻度もバスの持ち主やバス会社によって千差万別です。
そのため、走行距離100万~200万㎞と範囲に余裕を持たせてます。100万~200万㎞の範囲に差し掛かったら、一度廃車を検討してみるべきでしょう。
10〜20年程度の運転で廃車
バスは使用年数が10年~20年となったタイミングで廃車を考えると良いです。一般車の場合は、10年程度で廃車を検討する時期となるので、それと比較すると、バスは丈夫で長持ちです。
10年~20年と期間を広めに設定しているのは、走行距離の時と理由は同じです。走行の仕方やメンテナンスの頻度などによって廃車までの期間が増減するため、10~20年と広めに範囲を設定しています。
10年を超えたあたりからバスの状態に注意を払うようにし、15年を過ぎたあたりから廃車を検討しておくと良いでしょう。
走行距離と使用年数を総合的に判断しよう
上述の通り、バスの廃車タイミングは、「走行距離」と「使用年数」の2つの指標で判断します。ただ一つ注意して欲しいことは、どちらか一方で判断するのではなく、この2つの指標を総合的に判断することです。
例えば、走行距離がまだ70万㎞だからといって廃車のタイミングではないとは限りません。なぜなら、走行距離70万㎞でも使用年数が20年近くとなっていれば、車体がかなり劣化していると考えられるからです。
同様に、使用年数が10年未満だからといった安心してはいけません。バスの走行距離が200万㎞近くになっていれば、車体は限界を迎えている可能性があります。
このように、どちらか一方の指標のみで判断すると、バスのコンディションを正確に推し量る事はできません。走行距離と使用年数の2つの指標から総合的に判断し、廃車すべきかどうか判断しましょう。
バスの使用用途別の廃車時期
バスは路線バス、観光バス、高速バスなどさまざまな用途で使用され、その使用用途によって廃車のタイミングが異なります。
そこで、以下ではバスの使用用途別に廃車時期の目安を紹介します。
路線バスの場合
路線バスは、乗客の乗り降りが多く、バスを停止させたり発進させるといった事が他の使用用途の場合よりも多いです。一方、街中を走る事になるので、速いスピードで走行することはありません。そのため、エンジンへの負荷は比較的小さいです。
これらの点を考慮すると、路線バスの廃車の目安は、使用年数15~20年程度と長めに考えて問題ありません。
路線バスの年間走行距離は、平均して5〜6万㎞程度です。つまり、15~20年間使用すると考えると、走行距離は75万~120万㎞となります。
観光バスの場合
観光バスは、路線バスよりも長距離運行するため、エンジンへの負担が大きくなります。そのため、使用期間10年前後、長くても15年程度を目途に廃車にすることを検討すべきでしょう。実際に、東京都で運行する観光バスは、12年程度で廃車にしています。
観光バスの年間走行距離は、平均して10~20万㎞程度。これより、観光バスは、廃車になるまでに100万~200万km走行することになり、記事上部で解説した廃車を検討すべき走行距離と合致します。
高速バスの場合
高速バスは、観光バスよりも走行距離が長く、エンジンに大きな負担がかかっています。そのため、使用期間は観光バスよりも短い5~7年前後となります。
高速バスの年間走行距離は、観光バスと同じ10万~20万㎞程度です。走行距離に関しては観光バスと同様100万~200万㎞程度を目安にすると良いです。
廃車にしたバスの使い道
バスは一般車よりも丈夫な作りとなっていますが、いずれは廃車にする時がきます。そこで、ここでは廃車となったバスの使い道をご紹介します。具体的には、以下の3つの活用法について解説します。
- 1.公園の展示物として使用
- 2.パーツを交換して走行できるようにする
- 3.パーツを再利用する
公園の展示物として使用
廃車となったバスを公園に設置することがよくあります。こうすることで、子供達の遊具の一つとしてバスを再利用できます。
ただし、どのようなバスでも公園に展示できる訳ではありません。展示されるバスは、比較的綺麗な状態を保っていることが求められます。
廃車になるバスは、基本的に長年使用してきたものであるため、外装と車内がひどく傷んでいることが多いです。そのような傷みがヒドイ状態では、展示物に相応しくないため、受け取ってくれないこともあるでしょう。
パーツを交換して走行できるようにする
廃車にする前に、パーツを交換することで再び走行できるようにならないかを調べておくと良いです。なぜなら、一部のパーツを交換するだけで問題なく走行できるようになるかもしれないからです。
まだ使えるのにも関わらず廃車にしてしまうのは損です。バスは最後の最後までちゃんと使い切りましょう。
パーツを再利用する
廃車となったからといってバスのすべてのパーツが使い物にならない訳ではありません。エンジンが劣化していたとしても、タイヤや折りたたみドア、座席などは問題なく使用できる場合もあるでしょう。
廃車だからといってこれらのパーツも一緒に処分するのは勿体ないです。まだ使えそうなものがあるのならば、再利用をし、なるべくゴミを減らす努力をするべきです。
バスの廃車方法
バスを廃車にする際は、大型車の抹消手続きを参考にすると良いです。大型車とは、総重量が11トン以上、積載量が6.5トン以上、乗車定員が30人以上といった条件を満たす自動車のことで、バスも大型車に属します。
抹消手続きには「一時抹消」と「永久抹消」の2種類の手続きがあります。これらの手続きの違いについては以下で解説します。
一時抹消とは
一時抹消とは、名前の通りに一時的に車の使用ができない状態にする手続きです。旅行などで長期間車を乗る予定がない時に行います。
もちろん、一時抹消の手続きを行わずとも、車を長期間放置することは可能ですが、自動車税や自賠責保険にかかる費用を抑えるために、一時抹消を行うのが普通です。一時抹消登録を行った自動車は、再度自動車登録を行う事で利用できるようになります。
永久抹消とは
永久抹消とは、スクラップにする予定の車など、もう二度と走行させることのない自動車に対して行う手続きです。永久抹消をした車は、再び登録することができなくなってしまうので、手続きを行う際は注意が必要です。
抹消手続きの手順
抹消手続きは陸運局で行います。これは、一時抹消、永久抹消のいずれも同じです。必要書類は状況によって異なりますが、車検証、自賠責保険証、申請書、ナンバープレート、印鑑証明書、委任状、自動車税申告書、手数料納付書などを準備しておく良いでしょう。
抹消手続きの全体的な流れは、以下のとおりです。
- 1.永久抹消の場合は、業者に車の解体を依頼
- 2.陸運局の窓口で申請
- 3.一時抹消登録証明書、もしくは廃車証明書を受け取る
- 4.自動車税事務局で税の手続きを行う
廃車手続きの前に売却を検討しよう
永久抹消手続きを行うと、そのバスは二度と走行することができなくなります。そのため、手続きを行う前に、他に使い道がないか検討しておくべきです。
もしかしたら、まだ使えるパーツや、中古のバスでも欲しいという人がいるかもしれません。再利用できるのであれば、積極的に活用すべきです。
しかし、どのパーツが活用可能かなどは素人には分かりません。そこで、廃車にすることを考えているバスは、一度買取業者に見せてみることをおすすめします。なぜなら、プロの業者であれば、バスの価値をしっかり見極めることができるからです。バスの処分にお困りの方は、一度業者にご相談してみてはいかがでしょうか。