日本と海外のバスの違いは?外観や内観の違いを紹介

日本と海外のバスの違いは?外観や内観の違いを紹介

日本と海外では、バスの外観や内観といった仕様、バスの乗り方などに違いがあります。「海外からの輸入バスを購入して業務に利用したい」と考えているのなら、日本と海外のバスの違いについてあらかじめチェックしておきましょう。

今回は日本と海外のバスの違いを、バスの外観と内観、バスの乗り方の3つに分けて解説します。

日本と海外のバスの違い(外観)

日本と海外のバスの違い(外観)

日本と海外のバスの外観の違いは大きく分けて3つあります。

1. バスのサイズ

日本では、道路法第47条第1項の規定に基づいて定められた車両制限令により、公道を走行できる車両のサイズが厳格に制限されています。車両制限令第3条では車両の幅などの最高限度を定めており、幅は2.5m、総重量は20トン、高さは3.8m、長さは12mまでとなっています。[注1]

日本のバスは車両制限令に則って製造されているため、上記のサイズを超えることはありません。
一方、欧州などに代表される海外のバスは、幅が2.55m、長さが13m以上のものがメインとなっています。これらのバスは日本では車両制限令に違反するため、そのままの状態では公道を走行させることができません。

例外として、あらかじめ決められたルートのみを走る路線バスなら、サイズの大きい海外バスを走らせることも可能です。ただし、さまざまなルートを自由に走行することを前提とした観光バスとして使用したい場合、海外バスは使用できません。

ただ、近年は海外で製造されたバスの中にも、日本仕様に合わせたものがいくつか見受けられるようになっています。一例として、2021年に東京都内・神奈川県内の定期観光で知られるはとバスが、イギリスのバスメーカーと共同開発した日本仕様の2階建てオープントップバス車両を導入したことで知られています。

[注1]国土交通省関東地方整備局:道路法に基づく車両の制限とは

2. タイヤの数

日本のバスは普通乗用車と同じく、前輪に2本、後輪に2本の計4本が主流となっています。一方、海外では4本タイヤのバス以外に、前輪に2本、後輪に4本の計6本のタイヤを使ったバスも見受けられます。

車体の後輪に2列ずつのタイヤを配する方式はダブルタイヤと呼ばれており、バスの重量を2つのタイヤに分散させることで耐荷重性能を確保できるところが利点です。また、ダブルタイヤの場合、4つある後輪のうちの1つがもしパンクしても、他の3つのタイヤで走行できるという利点があります。

ただ、ダブルタイヤはタイヤの本数が多いぶん、車両重量が増加するというデメリットがあります。車両重量が増えると燃費が悪くなりますし、総重量に対して積載量が占める割合が小さくなってしまうところも難点です。また、タイヤの本数と接地面は比例するため、走行時の振動が伝わりやすく、体への負担が大きくなりやすいというデメリットもあります。

以上の点から、近年は海外でもダブルタイヤを採用しているバスは減少し、横幅の広いワイドシングルタイヤを4本使ったバスが主流になりつつあります。

3. ドアの位置

日本では、車両は左側通行することが法律で定められていますが、欧州を始めとする北米や南米大陸、中国、韓国、台湾などの海外諸国では、右側通行がルールとなっています。

乗客が乗り降りするドアは歩道側に設けられるため、右側通行がルールの国で製造されたバスは、向かって右側にドアが設置されています。もし海外からの輸入バスを日本で走行させたいのなら、乗降ドアがどちら側に設置されているか、事前によく確認することが大切です。

なお、左側通行を採用している国は、日本の他に、イギリスやアイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシアなどがあります。これらの国や地域向けに製造された海外バスなら、同じ左側通行の日本でも走行させられるでしょう。

日本と海外のバスの違い(内装)

日本と海外のバスでは、外観だけでなく内装にも違いがあります。

ここでは日本と海外のバスの内装の違いを2つのポイントに分けて解説します。

通路の幅

前述のとおり、日本と海外のバスでは車両幅の規定が異なります。海外の方が幅に対する制限が緩いため、車幅が広いぶん、席と席の間の通路も若干余裕があるようです。

一般的に、外国人の方が日本人に比べて体が大きいのも通路幅にゆとりを持たせている要因のひとつなのかもしれません。

座席の違い

日本のバスの多くは座り心地の良さにもこだわっており、ほとんどの車輌でクッション性の高いふかふかの座席を採用しています。

一方、海外バスの座席の造りはまちまちで、日本のバスと同じように座り心地の良い座席を採用しているものもあれば、固いプラスチック製の座席を採用しているものもあります。

後者の場合、当然座り心地は悪く、体に大きな負担がかかります。特に観光バスや高速バスなどは長時間の走行が前提となっているため、プラスチック製の座席のバスは利用に適しません。輸入バスの利用シーンによっては、日本と海外のバスの座席の違いも考慮する必要があります。

日本と海外のバスの違い(乗り方)

日本と海外のバスの違い(乗り方)

日本と海外では、バスの乗車方法に以下のような違いがあります。

運賃の支払い方法

日本のバスには両替機などが設置されており、紙幣を小銭に両替することが可能です。一方、海外のバスには両替機がないので、乗車する際は小銭を準備しておかなければなりません。紙幣しか持たずに乗車してしまった場合、お釣りは戻ってこなくなってしまうので注意しましょう。

なお、海外のバスでも日本同様、ICカードやバス券を利用することが可能です。あらかじめICカードにチャージしたり、バス券を購入したりしておけば、お釣りの心配をせずにバスを利用できるでしょう。

バスの乗り方、降り方

日本の路線バスは前方と後方に1つずつドアが設けられており、乗車するときは後方のドアから中乗りし、降りるときは前方のドアから前降りするのが一般的です。

一方、アメリカなど海外のバスでは、乗るときは前のドアから、降りるときは前後どちらのドアからでも降りることができます。降りるときのドアに指定がないのは、アメリカの場合、運賃が前払い制になっているからです。後払い制のバスの場合は、どちらか一方のドアから降りる仕組みになっているので注意しましょう。

なお、日本のバスでは降車する際、車内に設けられた降車ボタンを押して降りる意思を示します。一方、アメリカでは降車ボタンの代わりに紐を引っ張ると、次のバス停でストップする仕組みになっています。

乗車や降車のルールは国や地域によって異なるので、現地でバスを利用する予定がある場合は、あらかじめその国と地域のバスのルールをチェックしておいた方がよいでしょう。

日本と海外のバスはいろいろな違いがある!利用する場合は要注意

日本のバスと海外のバスは、外観や内装の作りに違いがあります。日本のバスは日本の法律に則って製造されているため、国内の公道を走らせるのに問題はありません。ただし、海外のバスは日本の法律に適さないサイズで作られているものもあるので、輸入バスを購入する場合はあらかじめ注意が必要です。

また、現地で海外のバスに乗るときのルールは、国と地域によって差があります。海外でバスを利用する際は、運賃の支払い方法や乗車・降車の仕方など、基本的なルールを事前に押さえておくと、利用する際に悩んだり困ったりせずに済むでしょう。

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