バス会社が訪日外国人の快適な利用に向けてできる取り組み

バス会社が訪日外国人の快適な利用に向けてできる取り組み

日本に訪れている外国人は毎年増加傾向にあります。しかし、国内での外国人に対するバス利用時の言語問題や決済方法などの環境は整っていないのが実情です。公共交通機関の中ではバスが一番、外国人にとって利用しづらいと言われています。

この記事では、訪日外国人がバスを快適に利用できる環境作りについてのポイントを詳しく解説します。

訪日外国人が快適に利用できるバスの環境作りのポイント

近年の訪日外国人の増加は右肩上がりで、日本政府観光局(JNTO) の発表では2019年の訪日外国人の数は3100万人を突破しています。[注1]

しかし、訪日外国人からすると日本の路線バスは利用しづらいといった声が聞かれます。

その問題を解決するために必要な環境作りが求められています。

電子マネーの導入

路線バス電子マネー

海外では決済する際に、電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス化が進んでいます。韓国では89%がキャッシュレス決済ですが、日本では18%と少ないのが現状です。[注2]

一方、韓国や中国から来た人の中には、自国の電子マネー決済に慣れていて現金を持ち歩く習慣がない人もいます。そのような人にとっては、路線バスのために小銭を用意しなければいけないのは不便に感じるでしょう。

そこで決済方法を多様化させることが改善のポイントです。

日本でキャッシュレス化が進んでいない背景には、治安が良いことが一つにあげられます。

また、ATMも至る所にあり現金を持ちやすい環境と偽札の心配がほとんどないのも現金派が多い理由の一つでしょう。

しかし日本においても、最近ではスマホ決済に力を入れています。キャッシュレス普及率の高い韓国ではスマホ決済がほとんどで、日本も全国的にキャンペーンなどで普及率を高めようと力を注いでいます。

アジア圏からの観光客が多い地域では、中国や韓国の決済と連携できるサービスを取り入れること視野に入れた方法を考えている企業も増えています。

運賃の支払い方法などの掲載

訪日外国人が観光などで日本に訪れた際にもっとも困るのは多言語表記が少ないために、目的地までの行き方や料金の支払い方法がわからないことです。バスは、地域によって乗車の際に支払う場合や、降りる際に支払う場合とあります。

これらの対策には、外国人旅行者に適切に情報の提供をするために、バス乗り場の位置や路線、バスの乗り方などを多言語表記で案内できるようにしましょう。

また、バス内でも降車ボタンや両替機などの使い方を案内する用の多言語表記のシールを貼るだけでも外国人旅行者は安心材料になります。[注3]

アプリの導入

少し難しい路線の説明などにはアプリの活用もおすすめです。地図や時刻も同時にわかるバスマップなどは言葉がわからなくても伝わります。アプリ上でバスロケーションを表示できると、「今ここを走行中で目的地まではあと何駅で着く」ということもわかります。[注3]

以上のように、言葉の壁を整備できると外国人旅行者にとって日本は快適に過ごせる国になります。

これから訪日外国人への対応が重要になってくる理由

日本では、これから東京オリンピックの開催や大阪万博と大きなイベントが待っています。これら以外にも、政府による訪日観光客向けの誘致政策やLCC就航などで、外国からの観光客が日本に来やすい環境が整ってきていて、インバウンド需要はこれからも増え続けると予想しています。

日本のタクシーをはじめ、公共交通機関は世界と比べると高いです。公共交通機関のなかでは、細かに路線が広がっている路線バスをもっと利用しやすくすることは、旅行客にとってメリットになります。

インバウンド対策をすることにより、日本経済に大きな効果をもたらします。

日本では少子高齢化や所得の減少などで一人当たりの消費額は下がってきていて期待できません。

そこで重要になってくるのが、訪日外国人による経済効果です。訪日外国人が路線バスや長距離バスを迷うことなく快適に使えれば、地方にも足を運ぶようになるでしょう。

そうすれば、地方の活性化にもつながります。

そのため、訪日外国人への対応は重要となるのです。

訪日外国人の対応でバス会社や運転手が心がけること

路線バス運転手

訪日外国人のためにできる対応としては、まずは不満を解消することです。

訪日外国人が旅行中に困ったことは、「スタッフとのコミュニケーションがとれない」が32.9%で最も多く、続けて「無料公衆無線LAN環境」が28.7%、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が23.6%という結果です。[注4]

これらを解決するためにできることから環境を整えていきましょう。

運転手のコミュニケーションアップ

バスの中での訪日外国人の相手となるのは運転手です。運転手があいさつを交わすだけでも気分は軽くなるでしょう。

また、運転手が観光地を把握して旅行者に案内できればもっと日本の魅力を知ってもらうきっかけになります。

質問をされたときにわからなければ、翻訳アプリを使ったり翻訳端末を活用したりすることで問題を解消できます。本来ならば、多言語話せるスタッフの人材確保ができれば一番ですが、なかなか難しいのが現実です。スタッフを育てるにしても時間がかかります。

このような問題には、導入費だけですぐに対応できるAI技術が問題解決の一歩となります。

多言語表記やWi-fiなどの通信環境

訪日外国人は言葉がわからない土地にきて不安な人もいます。待ちゆく人に質問したくてもうまく伝わらない。そこで重要になってくるのが多言語表記とWi-fiなどの通信環境です。

近年の訪日外国人は、中国や韓国からの旅行者が約7割です。[注1]

そのため、中国語・韓国語・英語の3か国語は最低でも必要でしょう。しかしこれだけでは、ヨーロッパ圏の人にはまだまだ快適に過ごせるとは言えないでしょう。

できるだけ、多くの言語で表記できるのが望ましいですが、無理な場合は翻訳アプリや翻訳端末を使うのがおすすめです。

訪日外国人の中には、翻訳アプリを使ったりインターネットやSNSから情報を取得する人も大勢います。それなのに、Wi-fiなどの通信環境が整っていないと情報収集ができません。

さらに、日本の無料Wi-fiは利用するのに登録などの作業が必要なものも多く、旅行客にとっては「少しの間利用するだけなのに..」と面倒に感じる人もいます。

これらの不満を解消するために、登録なしで利用できるフリーWi-fiを導入したり、SIMカードやモバイルWi-fiルーターを気軽にレンタルできる環境を整える必要があります。

増え続ける訪日外国人は快適に過ごせるバス環境を整える

以上のように、訪日外国人が増え続けるなか日本が快適に過ごせる国になるにはまだ課題があります。世界の国から比べると、日本は治安が良いので現金を安心して持てるという面からキャッシュレス化がなかなか進んでいるとは言えません。

日本での滞在時間を快適に過ごしてもらうためには、多言語表記も必要です。表記されている文字を理解してもらえれば、「日本は快適に過ごせる」と印象付けることが可能になり、リピーターになってもらえます。

さらに、消費拡大にもつながるので、バス会社が環境を整えることは日本のインバウンド市場の拡大にもつながるでしょう。

[注1]日本政府観光局(JNTO):2019年 訪日外客数・出国日本人数[pdf]
[注2]経済産業省:キャッシュレス・ビジョン
[注3]国土交通省:バス・タクシー事業者における外国人旅行者向けの情報提供マニュアル[pdf]
[注3]国土交通省:「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果[pdf]

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