観光バスを中古で買うなら必ず確認したい車内設備4つ!オーディオ・メーター・座席・トイレをチェック
観光・路線バスは2020年の東京オリンピック開催を控え、需要が高まっています。新車の観光バスには3,000万円以上かかるものもあるため、中古のバスに注目している方も多いでしょう。しかし、中古のバスは個体差が激しく、肝心の車内設備が傷んでいたり、欠けていたりすることもあるため注意が必要です。
そこで今回は、観光バスを中古で買う際に確認したい車内設備を3点解説します。購入金額の安さに釣られてしまうと、後で車内設備を買い足す必要が出てしまい、かえって費用がかかることがあります。また、車内設備が不足していると、バスを車検に出す際に通らない可能性もあります。
思わぬ修理費やメンテナンス費用をかけないためにも、車内設備のチェック項目を理解しておきましょう。
観光バスを中古で買うなら必ず確認したい車内設備4つ
観光バスを中古で買う場合、重点的にチェックしたい車内設備は、
- ・オーディオ
- ・メーター
- ・座席
- ・トイレ
の4点です。
いずれも後付けするとなると非常に高価なため、バスの購入時に搭載されていると大きくコストを下げられます。
オーディオシステムがちゃんと作動するかをチェック
観光バスを中古で買う際は、まずオーディオシステムが搭載されているかをチェックしましょう。添乗員が乗客にアナウンスするためには、マイク案内機能のついたオーディオシステムが必要です。
その際、オーディオ機器が取り外されていないかどうかだけでなく、ラジオやビデオなどの音声が出ているか、ハムノイズが乗っていないか、マイク部が作動しているかどうかも確認しましょう。バスやトラックのような24V車のオーディオユニットは非常に高価であり、交換に手間がかかるため、購入時に搭載されていればコストを削減できます。
オーディオはカラオケ機能も確認する
観光バスの醍醐味でもあるのが、車内でのレクリエーションです。その代表ともいえるのが、カラオケ大会。大型・中型バスであれば一般的にカラオケ機能が付属していますが、小型バスにはカラオケ機能がついていない傾向にあります。長距離移動をするバスであれば、車内のストレス緩和のためにも、カラオケ機能がついた一台を選びましょう。
メーター(走行距離計)に不具合がないかをチェック
中古バスを購入する際は、搭載されているメーターに不具合がなく、なおかつ走行距離が正しい数値かどうかをチェックすることも大切です。メーターを見る際のチェックポイントは2点あります。
まずはメーターの交換歴がないかを確認しましょう。車両が登録された初年度の年月と、搭載されているメーターの生産年がちがう場合は、メーターが交換されている可能性が高いです。
また、メーターが示している走行距離が、実際の走行距離であるとは限りません。十分に整備された高速バスであれば、200万キロメートルを超えて走行することも可能なため、中古のバスを購入する際は実走行距離に注意しましょう。観光バスの正確な実走行距離を確認したい場合は、ディーラーや整備工場で法定点検が行われる際に記載される「定期点検整備記録簿」を調べる必要があります。
座席やシートベルトに痛みがないかをチェック
座席やシートベルトに痛みがないかどうかは、乗客の安全だけでなく、走行中の快適さにも影響します。中古のバスを購入する際は、まず座席に経年劣化が見られないか、へたりや色あせがないかを確認しましょう。
また、シートベルトが設置されているかどうかも重要なポイントです。とくに古い観光バスの場合は、補助席にシートベルトが設置されていないことがあります。2017年に「道路運送車両の保安基準」が一部改正され、高速バスや貸し切りバスでは補助席へのシートベルト設置も義務づけられたため、必ず見落とさないようにしましょう。
シートベルトが設置されていても、シートベルトが壊れていたり、すり減っていたりする場合があるため、シートベルトの状態をチェックすることも大切です。
トイレは小型バスの場合ついていない可能性がある
長時間移動に欠かせないのがトイレの有無です。大型・中型であればトイレがついていますが、小型バスの場合はついていない車種もあるので注意しましょう。また、トイレ付きバスのなかにも簡易的なものから立派な鏡台が設置されたものまでさまざまあります。
空調もきちんと作動するか忘れずにチェックすること
オーディオ、メーター、座席の3点セットだけでなく、空調関係も忘れずにチェックしましょう。とくに観光バスの場合は走行時間が長くなることが多いため、空調がきちんと動くことは乗客の満足度を高めるための必須条件です。
まずは空調システムにエラーコードが出ておらず、水温スイッチや油圧スイッチなどに異常がないかを点検します。それから、ヒーターの温まり具合や、A/C(カーエアコン)の冷え具合・除湿の度合いを単純に確認するだけでなく、空調の温度変化が一定であるかどうかにも注意が必要です。
一見、空調が効いているように見えても、急速に冷えたり、その逆になかなか温まらなかったりと、空調機器にムラが存在する場合があるからです。
安全面をサポートしてくれるABSが搭載されているかもチェック
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)とは、急ブレーキをかけた場合や、路面が濡れたり凍結したりしている場合に、スリップを低減する装置です。とくに長い距離を走ることが多い観光バスの場合は、ABSが搭載されていると乗客の安全につながります。実際、国交省がバスやトラックの保安基準を改正しており、2014年11月以降の生産モデルにはすべてABSが搭載されています。
ABSはブレーキの構造上、後付けするのがむずかしいため、中古のバスを購入する際はABSが搭載されたものを選びましょう。ポイントとなるのは、2014年11月以降に発売されたモデルであるかどうかです。また、継続生産モデルであっても、2017年2月以降に発売されたものにはすべてABSが搭載されています。
発煙筒・消火器・三角板などの工具類もそろえる
観光バスの車内設備にばかり気を取られ、意外と忘れてしまいがちなのが工具類です。観光バスに工具として搭載する必要があるのは、ジャッキ、レンチ、三角板、さらに発煙筒や消化器などです。すべて買い揃えるとコストがかかるため、購入時に最初から搭載されているかどうかも重要なチェックポイントです。
とくに発煙筒と消化器の2点は、観光バスの車検で後々必要になるため、必ずチェックしておきましょう。なお、発煙筒や消化器には有効期限があるため、もし期限が切れてしまっている場合は新しく買い換える必要があります。
観光バスを中古で買うならオーディオなどの4点を重点チェック
ここまで、観光バスを中古で買う場合にチェックすべき車内設備を3点解説してきました。
オーディオシステムは観光バスに必須の車内設備であり、添乗員の使うマイクが作動しているか、ラジオやビデオからきちんと音が出ているかなどをチェックします。また、メーターの示す数値が実際の走行距離であるとは限らないため、ディーラーや整備工場が記載する「定期点検整備記録簿」などで実走行距離を確認することも大切です。座席やシートベルトは乗客の安全や乗り心地につながるため、痛みがないかのチェックが必要です。
この3点のほかにも、空調システムやABS、発煙筒・消火器などの工具類も確認しましょう。バスの購入時にこれらが揃っていると、後から追加の出費をする必要がありません。