いすゞ「エルガ」はどんなバス?人気の理由を詳しく紹介
エルガは、いすゞ自動車から販売されている大型バスです。複数あるラインナップはいずれも定員70人を超えており、路線バス、送迎バスとして広く活用されています。
今回はそのようなエルガの主なラインナップや、人気の理由、整備性・耐久性について解説します。
いすゞ「エルガ」のラインナップ
いすゞ「エルガ」は多様なニーズに応えられるよう、複数のタイプをラインナップしています。
ここでは、エルガの代表的なラインナップとそれぞれの特徴をまとめました。
都市型
都市型は、車両全体の乗車定員を重視したレイアウトを採用しているタイプです。ホイールベースが5,300mmのNタイプの乗車定員は79人で、うち座席は27人、立席は51人、乗務員1人の仕様になっています。
車両の前方は通路を広く取るために1人席が配置されており、乗車・降車する人がスムーズに移動しやすくなっています。
より多くの人を乗せたい場合は、ホイールベースが6,000mmで、定員87人(座席29人+立席57人+乗務員1人)のQタイプも選べます。
ラッシュ型
ラッシュ型は、ラッシュ時間帯向けのレイアウトが採用されたタイプです。都市型に比べると2人掛けの座席が少なく、後方にも1人用の席が多く配置されているところが特徴です。
そのぶん、都市型に比べると後方のスペースにゆとりがあり、車内での移動のしやすさがより向上しています。定員も都市型より多く、Nタイプは定員81人(座席22人+立席58人+乗務員1人)、Qタイプは定員89人(座席24人+立席64人+乗務員1人)となっており、多くの乗客を乗せられる仕様になっています。
郊外Ⅰ型
郊外のバス路線向けのレイアウトを採用したタイプです。郊外のバスは、都市に比べると乗客が少ない傾向にあるため、できるだけ多くの人が座って移動できる仕様になっています。
実際、Nタイプは定員77人に対して座席29人、Qタイプは定員84人に対して座席32人と、都市型やラッシュ型に比べて座席の数が多くなっています。
郊外Ⅱ型
郊外Ⅰ型と同じく、郊外の路線バス、送迎バスとして活用されているタイプです。前述したⅠ型との違いは、車いす乗客のスペースの有無です。
Ⅰ型は、1人掛けの座席を縦に2つ設けており、車いすの乗客のスペースを確保しやすくなっています。一方、Ⅱ型は2人掛けの座席を縦に2つ配置しており、Nタイプの場合は定員76人に対して座席31人、Qタイプでは定員83人に対して座席34人と、Ⅰ型より多くの人が座りやすい仕様になっています。
いすゞ「エルガ」が人気の理由

いすゞ「エルガ」が路線バスや送迎バスとして幅広く活用されているのは、優れた安全性や乗降性、ゆとりのある室内空間など、魅力的な部分が多数あるためです。
ここでは、いすゞ「エルガ」が人気を集めている理由を4つご紹介します。
安全な運行をサポートする装備
エルガには、乗客を目的地まで安全に運べるよう、さまざまな安全システムが搭載されています。
例えば、ドライバーステータスモニター(DSM)は、ピラー下部に設置されたカメラが常にドライバーの状態をモニタリングしており、居眠りや眠気、わき見などを検知すると自動で乗務員席のシートバイブレータを作動。物理的な刺激を加えることで警告する仕様になっています。
さらに、乗務員の姿勢が崩れたときはシートバイブレータに加え、赤色LEDが点滅して注意喚起。もしドライバーからの応答がなかった場合は、ドライバー異常時対応システム(EDSS)が作動し、速度を段階的に低下させた上で安全に停止する仕組みになっています。
なお、EDSSは運転席や客席に設置された押しボタンでも作動させられます。
スムーズな乗降性
エルガは歩く、座る、立つといった動作をスムーズに行えるよう、乗降性にこだわった造りになっています。
例えば、ステップ高は、小さなお子さんや足腰の弱い高齢者の方でも楽に乗り降りできる高さに適切化。乗降時のステップ高は335mmですが、車両を左に傾けるニーリングを行ったときは265mmまで低くなるため、足に負担をかけずに乗り降りできます。
また、車内には移動時の安全性をサポートする伝い歩き棒を設置している他、前向き優先席の前方には握りやすい幅広グリップを取り付けるなど、動作をサポートする工夫が施されています。
なお、伝い歩き棒には抗菌加工が施されているため、誰もが安心して利用できるでしょう。さらに、都市型や郊外Ⅰ型、ラッシュ型ではゆとりのある通路幅(ノンステップエリア)を採用。
通路の両脇に乗客が立っていても、車内中央部をスムーズに移動できるため、後方にいる乗客が目当てのバス停で降りにくくなる心配がありません。
換気・空調性能で快適性アップ
エルガでは多くの乗客がいても車内の快適性を維持できるよう、高い吸気性能を持つ換気扇を採用しています。
同時に、排気用のエアアウトレットグリルを追加することで、窓を開けなくても効率の良い換気が可能になっています。さらに、一部の冷暖房吹き出し口の角度を調整することで、車内の空調性能も向上。
車内の温度にムラが出にくく、乗客全員が快適に過ごせるよう配慮されています。
優れた走行性能と燃費性能を両立
エルガでは走行性能と燃費性能を両立できるよう、クリーンディーゼルエンジンを搭載しています。
走行性能は高圧・低圧の2ステージターボを適切化することで、全回転域でターボ効果を発揮できる仕様を実現。さらに、DPD+尿素SCRでエンジンの基本性能を高めつつ、排出ガスのクリーン化に成功しています。
車両停止時には、エンジンが自動で停止するアイドリングストップも採用されており、燃料の節約に役立つでしょう。
エルガの整備性や耐久性

エルガは長期間にわたって利用できるよう、整備性や耐久性にもこだわっています。ここでは、具体的な取り組みを2つご紹介します。
日ごろの点検・整備性を高める工夫
エルガには日ごろの点検・整備をより効率よく行えるよう、整備に関する情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイが搭載されています。
ディスプレイには燃費情報、エンジンオイル交換時からの走行距離、DPDフィルタ堆積状況、尿素水の残量などを分かりやすく表示。車両の詳細な情報を簡単にチェックできるため、整備・交換のタイミングを把握しやすくなっています。
また、室内灯にはLEDを採用。一般的な電球に比べると寿命が長いため、点検や交換コストの節約につながります。
防さび対策で美しさを維持
車両の外観を美しく維持できるよう、要所に防さび対策が施されています。例えば、車両のフロントおよびリア、ボディ下部には溶融亜鉛メッキ鋼板を採用した上で、カチオン電着塗装を実施。
カチオン電着塗装は非常に防さび性が高く、かつ凹凸がある部分でもムラなく塗装できるという特徴があり、エルガの美観維持に貢献しています。
他にも、床下面に防さびワックスを塗布するなど、経年劣化を食い止めるための工夫が取り入れられています。
いすゞ「エルガ」はスムーズな乗降や安全性、快適性を備えた人気のバス
いすゞ「エルガ」は、誰もが安全・快適に乗車できるような工夫を多数採用した大型バスです。
乗客の安全性や心地よさを追求しているのはもちろん、ドライバーに万が一のことがあった場合の安心システムも搭載されており、総合的にバランスの良い車両に仕上がっています。
車両タイプも複数ラインナップされており、それぞれ定員数やレイアウトが異なるため、利用シーンやニーズにぴったりの車両を選べるでしょう。


